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箱の中 <木原音瀬> (&ちょっぴり日常・萌友さん!)
先日新しい萌友さんができました!
大好きな友人の紹介です。
友人いわく、「血の繋がらない身内のような人」とのこと。
そういうお付き合いができる友人がいるのって、
すばらしいなあって思います。
うらやましくてしょうがないです。
でもそれは、その人たちの人徳のなせるワザなのでしょう。
私は、無駄に歳だけとってきて、自分を磨いてこなかったことを、
ちょっぴり後悔してます。
今からでも間に合うのかなぁ・・・・

さて。
箱の中 (Holly Novels)箱の中 (Holly Novels)
(2006/03/23)
木原 音瀬

商品詳細を見る
★★★★★

購入して、ずっと放置状態でしたが、やっと読むことができました。
興味がなかったのではなく、じっくり読みたかったから・・・。
表紙の色あいがとってもキレイで、
最初は内容と結びつきませんでした。
でも今は、この色合いと文字でよかったと思います。
派手な色や目を引く構図はいらないな、と。

シリーズ「檻の外」の感想はこちら→「檻の外」

↓ネタバレあり注意!続きから。

拍手ありがとうございました♪

痴漢の冤罪で刑務所に入れられてしまった堂野崇文。
裁判で起訴された時、「罪を認めれば、刑務所行きはなくなる」と
弁護士に勧められても、自分の正義を守りたかった。
その意地のために、堂野の人生は一変する。
でもそれがあったからこそ、喜多川という男と知り合ったのだけれど。

刑務所に入ると、すべてが苦痛でしかなかった。
周りにいるのは本当の犯罪者ばかり。威圧的な刑務官。
プライバシーのカケラもない、時間に縛られる生活。
汗臭と体臭の染み付いた布団、トイレの臭い。
自分は何も悪くないのに。真面目にやってきたのに。
普通の生活も、仕事も失ってしまった。
家族にひどく迷惑をかけたことを考えると、辛くてしかたない。
味わうのは「屈辱」のみ。

そんな堂野につけ込んだのは、同室の三橋。
詐欺師であった三橋に騙され、堂野は家族をさらに不幸にしてしまう・・・
絶望の中、手を差し伸べてきたのは、いつも隣にいる男、喜多川だった。

喜多川は生まれ育った不幸な環境が影響して、ごく普通の常識が通じない。
堂野に「ありがとう」と言ってもらうためだけに、
次から次へと堂野に働きかける。
利害関係なしでは人と付き合えない喜多川に、
堂野は出所までの短い間だけど、情操教育をしてやりたいと思った。
だが、そんな堂野に寄せる思いは、
「ありがとう」と言われる気持ちよさに満足するだけにとどまらず、
カラダの関係まで強要してきた。

「愛してる」と言う喜多川。
自分の気持ちもはっきりしないまま、「出所までは」と拒まない堂野。
誰にも愛されたことのない喜多川にとってみれば、
堂野の優しさは、とても心地よかったのでしょう。
離れたくない。ずっと一緒にいたい。
喜多川の一途さが、だんだん切なくなってきました。
でも堂野は、彼の気持ちに答えられない。
自分の中に確かに何かが芽生えているのは感じているはずなのに、
同室の芝の
「一生添い遂げるぐらいの気負いがないんだったら、やめときな」の言葉に、
結局は喜多川に何も告げないまま、出所の日を迎えた。
出所後、彼女ができ、子供を授かり、結婚もした。
この生きにくい世の中で、前科のある人間としては、
それこそ上出来の人生なのかもしれない。

その幸せを壊したくなかったのだろうか。
堂野は、喜多川の出所の日、結局迎えに行ってあげなかった。
きっと一人で寂しい思いをしているだろうに、
その姿が目に浮かんだのに。
どうしても行くことができなかった。

堂野を優柔不断と言う人がいるかもしれない。
その親切心は結局うわべだけのものと批判する人もいるかもしれない。
そんな裏切りのような行為をするぐらいなら、
最初から優しくするな、とか。
でも、それは誰にも責められるものではないと思う。
人は誰しも自分が一番大切。
何故なら人の心はとても弱いから。

だけど、喜多川は強い。
私は、彼の一途さを初めは不快にすら感じたのに、
いつのまにかどうしようもなく いとおしくなっていました。
こんなに純粋な人に、愛されるってどんな気持ちだろう。
それほど人を愛するってどんなに苦しいんだろう。
そんな思いで読み終えました。
そしてこのあとの二人はどうなるのでしょう。
とても気になるところですが、それは続く書き下ろし「脆弱な詐欺師」と
続編「檻の外」で知ることとなります。

「脆弱な詐欺師」
こちらは書き下ろしで、出所して5年後の喜多川を、
探偵の大江視点で追っていく話です。
探偵事務所に勤めて24年、48才の大江のもとに、
一人の男が「人探し」の依頼にやってきた。
その男は5年前に出所した喜多川であり、探し人は堂野。
それまで喜多川は、あちこちの探偵事務所に頼んで
堂野を捜していたらしい。そう5年間もずっと。
話を聞く限り、とても見つけられそうもないと断るのだが、
喜多川は全く聞く耳を持たない。
決して多い稼ぎではないであろうに、
いや、それどころか、かなり切り詰めた生活をしているだろうにもかかわらず、
どんなに費用がかかってもいいから捜してほしいという喜多川に、
大江の心は負のベクトルを生む。
一人娘が大学に行きたがっていてお金がいるのだ。
このちょっと常識からはずれたおかしな男なら、
うまく騙せるかもしれない。
大江は、堂野を探すフリをして、まんまと調査料を得るのだが・・・・

この大江という男、人の弱みにつけ込んですごく嫌なヤツでした。
最後までイライラしながら読まなければいけませんでした。
喜多川が拾ってきたコートを着てお金を届けに来たとき、
大江が心の中で呟いた言葉、「貧乏をひけらかすな」に、
私はプチンと切れましたね。
この期に及んでそんなことを思うのかって。
愛する人を捜すための、調査料を捻出するために、
カラダをボロボロにするほど必死になっているのを、
見てたはずなのに。知ってたはずなのに。
でも、それが人というものなのでしょう。
この男のせいで、より喜多川という人物の
一途さや必死さが伝わってきたことも確かです。

喜多川は出所してから5年間、
ただただ愛する堂野に会うために、すべてを捧げてきた。
1年ほど前、偶然職場が一緒になった、刑務所で同室だった芝に、
大切な人生の5年間を「無駄にさせた」と言わせたほどに。
でも喜多川は捜したかったのだ。会いたかったのだ。
会ってからどうするではなく、とにかく会いたかった。
その思いがすごく切なくて、苦しくて、
でも同時にとても美しく感じました。

芝に脅され、大江が命がけで探し出した堂野の居場所。
その地図を握り締めながら 「・・・神様」と呟く喜多川。
その「神様」と呼ばれた男は最低なヤツだけど。
デジカメに写る堂野の姿を指で撫でながら 「・・・堂野」と
嬉しそうにしている喜多川に、「よかったね」と
思わず泣きそうになりました。
表題「箱の中」の終わり方がアレだったので、
少し報われた思いです。

ちなみに恥を忍んで勝手な考えを記させてもらえば、
「箱の中」の箱とは
まさしく刑務所のことであり、
喜多川の育ってきた環境であり、
堂野の培ってきた常識、といったところでしょうか。
でも、もっといろんな意味があるのでしょうね・・・・


それにしても、木原さんの文章、無駄な言葉がないです。
それは文章的な問題ではなく、ちょっとしたひとコマが、ひと言が、
あとでちゃんと意味を持ってくる、そういう意味です。
書かれていることが、どれもこれも大事なことになってる。
本当に素晴らしい作品だと思います。
そして、この続編にあたる 「檻の外」は必ずセットで読んでほしい。
二人のその後を、見届けてほしいなと思います。

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BL、オタク風味、ネタバレ、妄想等あるのでご注意を!基本雑食なので、ファンタジー・人外・エロ・グロ・触手・痛い系・鬼畜、なんでもOK。でも一番の大好物は『切ないBL』です。『医療系』『音楽もの』にはついつい手がのびます。コミカルなものと『ヒゲ男』はちょっと苦手かも。『病弱受け』『クールツンデレ受け』に異常に反応。あ、『けなげ受け』も好物でした。
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