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花の棲処に 東景白波夜話 <鳩かなこ>
花の棲処に 東景白波夜話 (講談社X文庫 はG-) (講談社X文庫―ホワイトハート)花の棲処に 東景白波夜話 (講談社X文庫 はG-) (講談社X文庫―ホワイトハート)
(2009/09/04)
鳩 かなこ

商品詳細を見る

今回、意外なサブキャラ達のお話でとてもびっくり。
でも、とってもよかったです。内容もですが、
鳩さんの作品の中でも、一番エロティックな部分が多かったような気がします。
表紙もお気に入りです。

ところで、最後のほうで、おりんが代言人・斉藤の家で見つけて、
何故か惹かれて読み返していた雑誌 『うぐゐす』
あぁこれって・・・・・!!

今回も訳のわからない長い感想になっちゃってます。
ご興味あるかたは、
★ネタバレあり ↓ <続きを読む>から。

◆拍手ありがとうございました!
以前の記事 是 -ZE- 8 <志水ゆき>、
ガンダム00 #9 拭えぬ過去へもありがとうございましたm(__)m


<あらすじ>
 ときは大正。“おりん” こと花村林蔵は、湯島の陰間茶屋で下働きをしていた。
 いずれは、男娼としてひとり立ちしなければならない身だ。
 その茶屋をのぞきに最近よく来る男が、土砂降りの雨の日、
 ずぶ濡れで立ちつくしていた。
 おりんはいたたまれず、番傘を手に飛び出す。
 こうして、吉田刑事とおりんは出会う。
 ふたりはやがて恋にも似た思いを抱くのだが・・・・。


人の心の深い部分まで描いた愛憎劇、本領発揮です。

お話は、与一郎が臨時で熊次のあとを引き継いだころ。
天敵である刑事・吉田とその頃は陰間茶屋で下働きしていたおりんとの優しい出会い、
そしてそれからのわずかな期間に、何を感じ何が起こったかを濃密に語ったもの。
店の前にずぶぬれでたたずむ吉田に、おりんが番傘を差し出したのがきっかけで、
二人の壮絶な物語が始まります。

今回新しく、陰間の先輩として由布という人物が登場します。
彼は、ともすれば苛められてしまうおりんの、
兄のような、保護者のような優しい存在で、
おりんもすべてをさらけ出すわけではないけれど、彼を慕っていました。
陰間として独り立ちするために教育係となった由布は、
おりんに、マンツーマンで陰間のいろはを教えます。
これが、ものすごーく色っぽかった!!
由布はおりんのことが好きだったのか?と誤解しそうでしたが、
それは単に、惨めなおりんを蔑んでいただけと後から暴露されてしまいます。
まるで支配者のようにおりんのからだを開いていく由布。
聞くばかりで、未知の体験だった法悦を知っていくおりん・・・。
この二人の絡みは2度描かれていますが、
大人になりきらない二人の、閉ざされた世界での触れ合いが、
なんだかとても哀しく感じました。

それにしても、おりんにこんな経験があったとは驚きでした。
水下げ(陰間の場合の水揚げのこと)前に、
与一郎のもとへ寄せられたと思っていましたから。

さて、おりんと因縁の吉田との出会いですが、
どちらもなんとなくひとめぼれ的な匂いがしました。
全く住む世界の違う二人は本当なら出会うはずもなかったのに、
これも運命というのでしょうか?
吉田との逢瀬は、なんとも切ないものがありました。
少しずつお互いを意識し始め、まだ恋ともいえないほどの
ほほえましい二人でしたが、
あるきっかけでおりんが「男」であることを知られてしまいます。

おりんが男であると知った吉田の驚愕、
自分は少女と思われていたことをおりんが知る瞬間。
二人には切りつけられるような痛みが走ったに違いありません。
その場を去っていくおりんを、決して追ってこない吉田・・・
二人には惨めな別れが待っていたのです。
その時の心情が手に取るようにわかって、うっかり涙ぐんでしまいました。

『だましたのは、お互いさまだ・・・・』

帯のうたい文句にもなっているこの言葉。
だけど、吉田もおりんも、二人ともだますつもりなどなかったのです。
吉田は与一郎をつけ狙っていたとはいえ、
おりんへの感情は全く別の次元の話であったように思えるし、
たとえ与一郎のことを探る目的がなくとも、おりんには惹かれていた・・・・
そしておりんだって、別に男であることを隠していたわけではありません。
吉田が勝手に思い込んでいただけのこと。
ただ、おりんはやっぱり女の子に見えてしまうのは仕方ないし、
(わかっている私ですら、どうしても少女ととらえてしまう)
吉田の気持がわからなくもないのですが。
そして、勘違いしているだろうことは容易に予測されていて、
あえてそれを追求せず、見過ごしていたのも事実・・・。

お互いの真実を知ったあと、この二人は関係を持ちます。
それぞれを罵るかのように、蔑むように、憎悪に満ちて。
そこまでしないと自分が壊れてしまうほど弱くてもろいから。
そこまでしても、ひょっとしたら手をのばしてくれるかもと、
ほんの僅かな儚い願いを抱きながら。
おりんの心情が辛くて、哀しくて。
どうしてこんな関係でしかいられないのだろう。


おりんは自分の生い立ちにも負けず、けなげに生きてきたけれど、
信頼していた由布に裏切られ、
またほのかな愛のようなものを感じていた吉田にも見限られ、
唯一自分の居場所になると信じていた与一郎のそばにもいられなくなって、
(ただし、与一郎はおりんを捨てたわけではないが)
感情が爆発したところで、斉藤の深い人情を知ります。
そうして、おりんは自分の棲処を決めたのです。
心の中に、もうひとつの叶わぬ棲処としての白い花の世界を押し込めたまま。

このあと、好むと好まざるにかかわらず、
おりんと吉田は再び出会うことになります。
互いにわだかまりを残したまま、相容れない立場で。
ここから1・2巻に続いていくのですね・・・。

私は、あのかわいくて、気が利いて、律義なおりんの中に、
こんな哀しみが潜んでいるとは思いませんでした。
そして、「めちゃくちゃ嫌なヤツ!」としか思ってなかった吉田に、
別の感情を抱いたことも、認めざるをえません。
まさにもうひとつの愛憎劇。
おりんの心の中にもうひとつの棲処がひそんでいるように、
たとえ憎悪であっても、すでに吉田の心にも
おりんが棲みついていているに違いありません。

今回、意外なカップリングのお話でしたが、今までの中で、
一番BL色が濃かったような気がします。もちろんエロスも含めて。
いつものくどいくらいに描かれている情景や行動の説明が、
少し抑えられていたのは、内容が濃くて書ききれない・・・ページ数が足りなかったとか?(まさか)
なので、いつも鳩さん作品の中で感じる「ゆるり感」が、少なめで
心の奥に「どろり」としたものが滞っている、そんな感覚でした。
それでも・・・やっぱり好きな作家さんであることに変わりないですけどね。
というか、ますますハマってしまった気がする・・・・。



ところで、冒頭に書きました『うぐゐす』 ですが、
読んでいて、ん??どこかで聞いたぞ?まさか?
いや、あれだ!!絶対そうだ!

というわけで。
そうです、鳩さんの前作 『帝都万華鏡』 シリーズで、
高市京介が詩歌の部分を担当し、横山春洋が挿絵を描き、石木啄馬が投稿しているという、
アレですよ、アレ。
いやー、なんか嬉しかったです。鳩さん自身も全く別のお話とおっしゃっていたので、
こんなところでリンクしているとは思いもしませんでした。
確かに時代背景は同じですものね。
そして、斉藤はこの 『うぐゐす』 に投稿している人間を知ってるようなことを
言っていましたが、誰のことやら・・・・・
まさか、次回作の「帝都万華鏡」外伝に登場するんじゃないでしょうねえ??


さて、この「東景白波夜話」 は、これで終了なのでしょうか?
あとがきを読むと、ん?なのですが・・・(終わらないで~~~)
多くのブロガーさんはちゃんとわかっていらしたことのようですが・・・
実は第二作、「夏夜のたまゆらに」 を読み終えたあと、
私はまだまだ続きがあると勝手に思っていたのですが、
他のサイトさんをめぐってみたら、みなさん、「これで終わり(でもよい)」と、
ちゃんと感じていらしゃって、「次が気になる」と書いた私は(^_^;)でした。
もうおなか一杯と言う方もいらっしゃるようですが、
私としては、もう少し続いてくれてもいいかな、って感じです。
与一郎と藤吉のその後も知りたいし、
できれば、おりんと吉田が歪んだ憎しみに溺れたままではなく、
何かしらの光を見ることができたら、と思ってしまうので・・・・。

どちらにしても、次回作は「帝都万華鏡」の外伝みたいですね。
そんなに時間は経ってないと思うけど、なんだか久しぶりな感じがます。
誰のどんな話なのやら・・・・



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