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間の楔 6 <吉原理恵子>
ガイのバカっ!!

6巻を読みながら、私は心の中でそう叫んでいました。

読み終えてしばらく経ちますが、今、ガイに感謝してもいいのかも?とも
思えるようになりました。
その瞬間、二人は間違いなく幸せだったろうから。
その道しか、二人の愛の成就はなかったように思えるから。


間の楔6 (キャラ文庫 よ 1-10)間の楔6 (キャラ文庫 よ 1-10)
(2010/01/23)
吉原理恵子 
ill. 長門サイチ

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★ネタバレあり ↓ 続き(read more)から。

◆拍手&拍手コメありがとうございます。
つる草の封淫 <沙野風結子>
宮廷神官物語 「王子の証と世継の剣」<榎田ユウリ>
への拍手ありがとうございました。
拍手コメお返事は、<続きから>の最後です。

忘れられない、大好きな作品となりました。
読了後ずいぶん経ってしまいましたが、読んですぐ感想を書いていたら、
やるせなさばかりがつのったものとなっていたと思います。
あとからあとから、ジワジワとくる作品であって、
しばらくは考えるとすぐ涙が出てきてしまい、他の本を読むこともなかなかできませんでした。

まず、リキとイアソンについて感想を書かせていただく上で、
カッツェという人物を、語らないわけにはいきません。
凄まじい過去を持ち、イアソンという鎖につながれたまま、
ブラックマーケットの中心人物として存在し、
最初から最後まで、常に二人の一番近い場所にいたカッツェ。
カッツェは実はイアソンに認められていたということを自覚していたのでしょうか?
イアソンが認めるスラムの雑種は、実はリキよりもカッツェであり、
またその存在があったからこそ、リキとイアソンの関係が成り立っていたのでしょう。
最後に見せた「スカーフェイス」のカッツェの涙は、イアソンの信頼を実感したことや、
同じスラムの雑種であるリキという存在に対する様々な想いがよぎったことはもちろん、
何よりも、リキとイアソンというつながり自体に、
希望のようなものを抱いていたからではないかと、思えてしまうのです。
リキによって変わったのは、イアソンだけでなく、カッツェもまたその一人だったのですね。

そしてもう一人、リキのペアリングパートナーであったガイ。
彼の行動がこの結末のすべてをもたらしました。
心の中で、何度彼を罵倒し恨んだでしょう。
カッツェが言うように、彼はこの罪の重さを一生背負って生きていけばいいのです。
ずっといいヤツだと思っていたのに、最後の最後でとんでもないことをしてくれてと。
でも、時間が経つにつれ、イアソンとリキの関係を保つためには、
「それ」しかなかったのかも?と思えるようになってやっと、
ガイを責める気持ちを抑えることができようになりました。
彼にとっても、リキは唯一無二の存在であることに間違いなかったんだものね・・・。
それでも彼がリキに対してとった(ペットリングをはずすための)最初の狂気の行動は、
どうしても許せません。かなりショックでしたから。

さてこの「間の楔」、一応BLであるのに、愛を表現する言葉はほとんど、
いえ、だたの一言もありませんでした。
イアソンとリキの間には、
相手を思いやったり、相手のために何かしてやったり、
心配したり、慈しんだり、そういう愛情表現もあまり描かれていません。
でも、明確に表現されていなかっただけで、
確かにそこに愛は存在していました。
巻を進めるごとにそれは段々形をあらわし、
最後の最後でお互いに最高の愛情表現をしてくれました。
とても哀しい涙を必要とするものでしたけれどね。

そしてイアソンのリキに対する固執は、その感情が「愛」であることに途中から気付き始めても、終始一貫して変わりませんでしたが、
リキは自分の想いや行動が変化していることに最初は気付かず、とまどい持て余していました。
でもアパラティアでの穏やかな時間を過ごしながら、
またカッツェの「おせっかい」―――リキを飼うことが、イアソンに最大の屈辱を負わせ、とてつもないリスクを払っていると気付かせたこと―――
により、少しずつ、でも急激に自覚していったのです。
巻を追いながら、二人の行きつく先がどこになるのか、
見極める覚悟で読み進めてきて、ようやく「愛」を感じられるようになってきての、
衝撃のラストとなってしましました。

終盤、傷ついたガイを背負って出ていくリキを、
イアソンはどんな思いで見送ったのでしょうか。
自分があれほど固執していたリキは、もう自分の元には戻ってこない。
それでもイアソンは満足だったのでしょう。
愛するリキとリキの「想い」を救うことができたのですから。
その描写は細かくはされていませんが、リキが戻ってくる直前の穏やかな様子と、
戻ってきたリキに驚く表情で、それは明らかでした。
「人間になり下がった」と揶揄されていたイアソンですが、
なり下がったのではなく、元々人間だったのです。
身体のすべてが人工体でも、脳は、感情は、
生身の人間だったのです。
リキと同じ目線で、同じ時間を共有するために、
『人間の端くれ』であることを望んだイアソンに、感動を覚えずにはいられません。

そして、本の帯に載せられていた言葉があります。

一本の煙草が、出会えた奇跡を昇華する―――

昇華というのは、「無理」であったことを
何か別なモノや行動に変化させて実現させることとでも言うのでしょうか。
もともとの意味は、化学の時間に習ったアレですね。
固体から液体を経ずに、直接気体になること。(逆もしかり)
確かにあの二人の最後はその言葉にふさわしいかもしれません。
理解し合えた瞬間のあっという間のできごとだったから。
そしてそれは、イアソンはもちろん、リキ自身も「自分で選んだ」瞬間なのです。
リキがずっとこだわっていた「自分で選択できる運命」。
最後の時を、幸せと思える時を選ぶことができたのです。

リキとイアソンの行きついた先。
悲しくて辛い結末であるけれど、少なくとも二人はそう思っていませんでした。
幸せ、だったのかな。
二人の愛を成就させるためには、この結末がベストだったのかな。
何度考えても、そこで思考は止まってしまうのです。
ただただ、二人を想って涙を流すことしかできません。




さてイラストに関してですが、
まだ本文を読む前、WEB上で表紙を初めて見た時の衝撃は今でも忘れません。
PC前で思わず「はっ!?」と大声を出すほど、
あの二人にして、あり得ない表情&シチュエーションだったのです。

いまだかつて、こんなに穏やかで幸せそうな二人は見たことがありません。
もう、表紙を眺めるだけで、大袈裟ではなく涙がこぼれてきます。
これまではとても“愛”という名で呼べるような関係には見えなかったから。
やっと、やっと理解し合えたんだね。
かけがえのない愛だと気付いたんだね。
“人”として、幸せを感じられてよかった・・・・
二人の行きつく先は、ここだったんだ、そう思います。
それでも、この胸苦しさは決して消えることはないでしょう。

そして表紙だけに終わらず、口絵2枚も驚きでした。
あのカッツェが泣いている!
リキがイアソンの靴を・・・!
最終巻にして怒涛の展開でした。
さらにP256の、とまどうリキを強く抱きしめているイアソンのイラストも素敵です。
この「間の楔」を読むまでは、あまり存じ上げない絵師さんだったのですが、
この本をきっかけに、表現力のある大好きな絵師さんになりました。
(身体のバランス等、もう少し気をつけていただけるともっともっとお気に入りになっちゃうんだけどなぁ、なんて!)

最後にタイトルの「間(あい)の楔」について。
その意味が、本書の最終シーンに書かれていました。

間の楔とは、別々なモノをしっかりとひとつに繋ぎ止める役割をするもののこと。

本来、リキとイアソンは絶対に交わることのない別々のものだったはず。
それが偶然か必然か、二人は出会い、決して別々ではいられない存在となる。
その「間の楔」になったのは何だったのでしょうか。
それは、『主人とペット』という、歪な関係そのものだったのかもしれません。
そう考えると、二人の運命が切なくて、
と同時に羨ましいと思ってしまうのは、
私自身が歪んでいるのでしょうか・・・・



【ブログ内関連記事】
間の楔1・2 <吉原理恵子>
間の楔3・4・5 <吉原理恵子>まとめてプチ感想。
OVA 間の楔 & 拍手機能障害についてお詫び




>あ○○○○んさん、

いつもコメントありがとうございます。
確かにイナイレでのゆうきゃんは、出番少ないっていうか、
わかりにくい(>_<)
娘が見てなきゃ、とっくにあきらめてます。

Punch読まれたんですね!
私は本来「シリアス」好きで、コミカルなものは苦手なのですが、
鹿乃さん作品はコミカルな部分もバランスよくオシャレ、
しかもシリアス部分はしっかりシリアスで泣けるので、大好きです。
絵がしっかりしてるのが何よりいいです。

夏にCD3・・・ほんとCDも次から次へと発売されて、手に余ります((+_+))
できるだけ上質のものを揃えたいと思う今日この頃です。


>mi○○○○さん、

わぁ~、コメントありがとうございます!

>気持ちいいぐらい、時代エロにつっぱしってましたね~♪さすが沙野さんです(笑)

mi○○○○さんおっしゃるところの、ナナメ三大作家様のお一人ですからね~。
読書メーターでは時代考証云々?みたいなことを感想書かれてましたけど、
私なんて最初からそんなこと無視でしたから!(←単に歴史がマジガチ苦手なだけ)
でも、あの言葉遣いとか好きなんですよ~。

>フレブラCD7巻8巻感想、ぜひぜひお待ちしてます、師匠!!

誰が師匠やねんっ∑(-∀-ノ)ノ
私だって得意じゃないですよ~。私の場合、小説感想も。
大体、舞台関係のこともお詳しいんじゃなかったですか??
演技とかにも精通されてそうで、た、太刀打ちできない・・・・
でも、頑張ってプチ感想取り組もうと思ってます!
いつになるかなぁ。。。。。。。

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拍手コメントお礼です!
>だ○○さん、

拍手コメントありがとうございます!
偶然に辿り着いていただき、拙宅の記事を読んで、
「間の楔」の世界へ踏み込むきかっけにしていただけたなんで、
涙が出るほど嬉しいです!!

>色々な意味で凄まじく、正直、見ないほうが幸福だったのかも…とも思いましたが(結末が悲しすぎるのです…今も辛いです;;)

本当に辛い結末でしたよね。
私も読んでしばらくは、胸が苦しくて、
思い出す度に涙がにじんできてしまうというような状況でした。
でも今は、二人の幸せそうな笑顔しか浮かんできません。
苦しかったけど、出会えてよかった本だと胸を張って言えます!

>この分では、近い将来、文庫にも手を出すのではないかと思います…覚悟ができたら、ですが…。

ぜひぜひ!!
どうか御覚悟をお決めください(笑)
最初は抵抗のある文章かもしれませんが、慣れてしまえば大丈夫。
どうしてもダメと言う方もいらっしゃるので、何とも言えませんが、
私はわりと平気でした♪
というより、先が読みたいのでそんなこと気にしてられませんでした。

実は私はアニメは見ていないんです。
OVAも最初は購入する気満々だったのですが、
雑誌のおまけについてたダイジェスト版を見たところ、
どうしても絵柄が好みではなくてパスしてしまいました。
ただあの世界を映像で見たいという願望は今でもありますので、
そのうち私もどこかで(笑)見るかもしれません。

今回、わざわざ足跡残して下さりありがとうございました。
本当に嬉しいです。
もしいつか文庫の方を読まれたら、
またこちらにふらっとお越しいただいて、
感想などつぶやいていただけたらな~、
なんてずうずうしいことを考えてたりします♪
亀スピードの更新しかできないブログですが、
お暇があれば、また遊びにいらして下さいね。

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毎日色々な “愛” を探しながら
現実逃避(!)しています。
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BL、オタク風味、ネタバレ、妄想等あるのでご注意を!基本雑食なので、ファンタジー・人外・エロ・グロ・触手・痛い系・鬼畜、なんでもOK。でも一番の大好物は『切ないBL』です。『医療系』『音楽もの』にはついつい手がのびます。コミカルなものと『ヒゲ男』はちょっと苦手かも。『病弱受け』『クールツンデレ受け』に異常に反応。あ、『けなげ受け』も好物でした。
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